市川斉の猫を知ろうブログ

私の大好きなペットに関連した情報を掲載していきます。

ネコがいきなり噛む理由は

愛猫にいきなり噛まれたという経験をしたことがある飼い主さんは多いかと思いますが、猫が突然噛みつくのにはいくつかの理由が考えられます。


まず考えられるのは、「獲物と勘違いしている」という理由です。猫は生まれつきのハンターで、人間に飼われるようになる前は小動物や鳥、虫などを獲物としていました。この名残で、猫には動くものに反応するという習性があり、ついつい動くものを追いかけてしまうことが少なくありません。そのため、飼い主に撫でられていると分かってはいても、狩猟本能から撫でる手の動きに反応して、噛みついたり引っかいたりしてしまうのです。


また、「もう撫でられたくない」と感じた際も猫は突然噛みつくことがあります。たとえ、自分から撫でてほしそうに寄ってきたり、撫でられて喉をゴロゴロと鳴らして喜んでいたりしても、猫は飽きやすい性格なので数分もすれば撫でられることに飽きてしまうことがあります。その結果、うっとうしさから噛まれてしまうのですが、飽きるまでの時間は猫によって大きく異なるとともに、その時の気分によっても変わってくるので注意が必要です。


次に考えられる原因は、「イライラ・ストレス」です。猫は、恐怖からパニックになったり、イライラを感じたりした際に気持ちが抑えきれずに、突然飼い主に噛みつくことがあります。ストレスを感じた際のイライラを無関係の相手にぶつける行動は「転嫁行動」と呼ばれており、いわゆる「八つ当たり」に該当しますが、特に噛まれた理由が見当たらない場合はイライラやストレスが原因である可能性が高いです。
生後2~3ヶ月ごろの猫に噛まれるという場合は、「歯がかゆい」のかもしれません。猫は、生後2週間ほどで乳歯が生え始め、生後1ヶ月ごろまでに全て生えそろうのですが、生後2~3ヶ月ごろになると今度は永久歯が生え始めます。人間の場合、乳歯が抜けてから永久歯が生えてきますが、猫の場合は永久歯が生えてから乳歯が抜けます。乳歯が抜け始めてから1ヶ月ほどで全ての永久歯が生えそろうのが一般的ですが、永久歯が生えてくる時期は歯茎がムズムズとかゆくなるため、手近なものを何でも噛んでしまうのです。
さらに、「疼痛性攻撃行動」も猫が突然噛みつく原因のひとつです。疼痛性攻撃行動とは、ケガや病気などで体に痛みを感じることによって引き起こされる攻撃行動で、痛みがある部分を触ってしまったために噛みつかれることもあれば、痛みによるイライラで近づいただけで噛まれることもあります。


なお、噛まれたと言っても、甘噛みであった場合は愛情表現である可能性もあります。猫の噛むという行為には、ポジティブな意味合いも含まれており、成長過程で甘噛みを繰り返しながら愛情表現を体得していきます。「愛情表現 甘噛み」は、本能に従っただけで、猫に悪気があるわけではありません。

市川斉



以上が猫がいきなり噛みつく代表的な理由となりますが、噛まれないようにするための諸々の対処法はそこまで難しいものではなく、「噛める玩具を与える」「しつこくしない」といった対策を行いましょう。噛める玩具を使って毎日遊んであげることで猫の狩猟本能を刺激すれば、獲物と間違えて噛まれる機会は減るはずです。撫でていて噛まれるのを完全に防ぐのは難しいものの、耳が横にピンと張った「イカ耳」の状態になっていたり、瞳孔が丸く開いている状態だったりした場合は、機嫌が悪い可能性が高いのでこのような状態のときは安易に近づかない、撫でていてこのような状態になったら直ぐに撫でるのを止めることが大切です。また、猫は体調が悪いときに人目を避けてじっとする傾向があるため、このような状態になり近づくと噛まれるという場合は何らかの異変が起こっている可能性があるため、すぐに動物病院に連れていくことをおすすめします。愛情表現による甘噛みについては、過度な心配はありませんが、あまりにも強く噛みつかれた場合は猫の目を見て「痛い」と大きな声を出して力加減を教えておくことが大切です。


また、猫に噛まれた場合には、それを防ぐだけでなく飼い主自身の感染病にも注意を払いましょう。猫の口腔内は数多くの雑菌が存在しているため、噛まれた際にできた傷を放置すると膿につながる恐れがあります。特に、噛まれた部分が腫れたり、熱っぽかったりする場合は病気に感染している可能性があります。噛まれたからといって必ず感染病につながるわけではありませんが、飼い主の免疫力が低下している場合は感染病のリスクが高まるので注意が必要です。猫に噛まれた際に感染する可能性がある病気としては、猫ひっかき病・パスツレラ症・カプノサイトファーガ感染症などが挙げられますが、感染病を防ぐには噛まれた直後に流水で傷口をしっかりと洗った上で、消毒液をつけてガーゼなどで覆っておくことが大切です。また、傷がひどかったり痛みが強かったりした場合は、早めに病院で診てもらうようにしましょう。