市川斉の猫を知ろうブログ

私の大好きなペットに関連した情報を掲載していきます。

ネコは汗をかくか? 市川斉のネコを知ろうブログ

猫を飼うなら、飼い主として体の特徴を知っておくことが大事です。同じ哺乳類だからといって楽観視せず、多くの点で異なることを理解しておきましょう。たとえば、夏の暑い日は人間の体は汗でべたついた状態になります。しかし、その時期に猫の体を撫でても、同じように感じることはありません。さらりとした手触りに驚き、猫は汗をかかないのか疑問に感じる人もいます。これに対する答えは簡単で、猫は基本的に汗をかかない動物です。ただし、少しもかかないわけではないので誤解しないでください。そう言われると、猫に汗腺はあるかと聞きたくなる人も多いと思われます。


人間には汗腺が数百万個というレベルで存在し、体温の状態に合わせて汗が分泌される仕組みとなっているのです。体の表面が濡れることで、それが蒸発するときに周囲の熱を奪っていきます。これが正常に行われないと、体温は上昇する一方になってしまい、深刻な熱射病などを招くことになるでしょう。このように汗腺の役割は非常に重要ですが、猫は人間ほどたくさん持っていません。肉球と鼻の頭付近のみしか存在しないので、人間のように全身が汗で濡れるような事態にはならないというわけです。人間は扇風機の風を受けると涼しいと感じますが、それは体の表面の細かな汗の蒸発が促されるからです。猫に扇風機の風を当てても、同じような効果は得られないので気を付けましょう。


一方、アポクリン腺が発達しており、こちらはネコの全身に及んでいます。汗腺の一種ですが、人間の場合は全身にあるわけでないので、あまり名前を知られていないのが実情です。具体的には、人の脇に集中する汗腺だと認識しておいて問題ありません。こちらは体温調整というよりも、ニオイを出すために使われることが多く、フェロモンの作用に大きく関係しているという見方が強いです。そう言われると、猫の前身はもっと臭いはずではないかと思う人もいるでしょう。猫はきれい好きな動物であり、頻繁に毛づくろいを行っているため、悪臭を発するような状況にはなりません。
それだけ人間と違いがあるなら、ネコはどんな時に汗をかくのか気になる場合もあるでしょう。実は、この点に関しては人間と共通する点が多いといわれています。具体的には、緊張や怖かった時に分泌量が多くなるという傾向があるのです。猫がどのような心理状態か見極めるのは困難だと考える人も少なくありません。表情を読み取れないですし、人間のように額から汗がしたたり落ちたりもしないので、平常心でいるのかどうか判断が困難です。猫の心理状態をチェックしたい場合は、足跡をじっくりと見ると分かることがあります。動物クリニックで医師の前に置いたとき、うっすらと濡れたような足跡がつくことも多いです。かなりの緊張状態になっている証拠であり、これから自分に施される処置に対して恐怖を覚えている可能性もあります。人間が同じ心理状態になったら、背中までびっしょりと濡れた状態になるはずです。この他に、落下の危険がある高い場所にのぼったときなども、足の裏が濡れた状態になりやすいです。ただし、これは滑り止めを目的として分泌されているという意見も少なくありません。


このような違いを十分に理解したうえで、猫にとって生活しやすい環境を用意してあげることが重要です。共存していくにあたり、部屋の温度を適切に設定してあげる必要もあります。人間が快適だからといって、猫にとっても同じであるとは限りません。そもそも両者は平熱も異なっており、平均すると2度程度も差があります。そのため自分が暑くても、猫はまったく平気であることも多いです。人間は猫が暑そうだと誤解することがよくありますが、それを引き起こしているのは毛皮に覆われている見た目です。毛皮のコートをイメージして、もっと涼しくしてあげる必要があると感じる人が見受けられます。それでエアコンを20度ぐらいまで下げると、猫にとっては極寒のように感じられる可能性もあるのです。エアコンをかけてあげたのに部屋から出て行こうとする場合、猫にとっては快適な温度でない可能性があります。個体差があるので一概にはいえませんが、猫の快適な温度28度前後というのが定説です。それを踏まえたうえで、体温調節可な所を用意してあげましょう。

猫と汗-市川斉


そうすれば、飼い主も猫の扱いが楽になることを期待できます。なぜなら、わざわざエアコンを制御しなくても、猫が過ごしやすさを求めて移動してくれるからです。そのため、そのような場所を住まいにいくつか設けておく必要があります。たとえば、夏なら日差しが当たらないエリアを探して、熱がこもりにくいシートを敷くといった具合です。冬なら風があまり通らないところに毛布をおくという手があります。水分補給も体温調節に関係するので、水飲み場を近くに用意してあげることも大事なポイントになります。猫の視点を持って、どこが過ごしやすそうか十分に検討しましょう。